• 2005.10.05

    赤とんぼ

    先週の話になるけど、朝、JR「新橋駅」から私の職場である赤坂のビルまで歩いていたら、ある信号機のところで赤とんぼが飛んでいた。

    一匹、二匹ではなく、たぶん十匹くらいは飛んでいたと思う。

    ここには彼らを追うであろう子どもの姿はないが、一瞬で死に至らしめる車がひしめいている。

    ビルの谷間風は過酷だろう、休む穂もなければ、水面は皇居まで行かないとまともに無い。

    アスファルトとコンクリートでできた凶暴な森で、必死に飛んでいる彼らの姿に元気をもらった。

    そんな彼らの存在の主張に、秋の空はどこまでも蒼くきれいに澄んで、冷淡だった。

    君たちの複眼に仕事に向かう人々はどう映っているんだろう、君たちが懸命に生きているように、人もみんな必死で生きているんだよと、心の中でつぶやいた。

     

     

    写真はこちらのサイトからお借りしました。