2006.06.26
友人に中野純という陶芸家がいる。
詳細はこちらのホームページを見てもらうとして、6月28日から銀座松屋で開催される彼の個展の紹介をしたい。(写真:立木義浩)
何でわざわざCANPANブログで紹介するかというと、彼の作風にCANPAN的な雰囲気を感じるからである。
芸術というのは岡本太郎氏ではないが、独りよがりなのは言うまでもない。そのくらいでないと優れた作品など作れないだろう。
芸術家がいて、彼(彼女)がただ表現したいことの発露が、結果として見る人を満足させ、時としてため息をつかせることになるだけだ。
陶芸もまたそうであろう。その中にあって、彼の作風は彼の性格が作品に表れていて、すごく柔らかくやさしい。特に天然灰釉にこだわった色彩は見事である。「二つと同じものは作れない」と彼は言う。
機械で回す轆轤(ろくろ)ではなく人の足で蹴って回す轆轤にこだわり、天然灰釉にこだわる彼の陶芸に対するこだわりはハンパではないが、その土台に「自分の作品を使ってくれる人に対する感謝と思いやり」がある。
自分のこだわりと人の役に立ちたいという思いをバランス良く配置した作陶。
これが彼の陶芸がCANPAN的である所以である。
彼と友だちになってから、和食器は彼の作以外は買わないことに決めているのだが、そのくらいいいものを作る。
彼には早いとこ世界に自慢できる日本人の一人になってもらいたいと思っている。
日本は世界に誇れる人物がたくさんいるのに、それを日本人自らが過小評価する悪い癖があって、そんな状況を打破するには世界で認められ、活躍する日本人がもうちょっと目に見える形で増えないといけないだろう。その一翼を彼にはぜひ担ってほしい。
その転機の一つとなるであろう動きがこの夏にあって、彼は千葉の山奥に窯を構える予定でいる。彼は現在、吉祥寺で電気窯を使って焼いている。が、自然の火がもたらす熱の強弱が織り成す釉薬の色合いの複雑さはその比ではないそうである。
吉祥寺ではさすがに薪を使って焼くわけにはいかないので、千葉の山奥に引っ越すことになったという次第。
表現のフィールドを得て、どれだけ見事な器が生み出されるのか、楽しみでやまない
彼もまた、無から有を生み出すことのできる才能の一人である
そんなわけで、このブログを読んだ方、ぜひ松屋銀座に行ってあげてください。その際は「Yo_カッパ」ブログ見て・・・と言うと彼もかなり喜ぶ・・・はず・・・
中野純作陶展の詳細はこちらです
■中野純(Jun nakano)作陶展■
会期/2006年6月28日(水)~7月4日(火)
会場/松屋銀座7階 美術サロン
※彼はまだ英雄になれていないが、期待を込めて英雄列伝に入れてみた。
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