2007.05.28
ご縁があり、「スーパー広報術」というサイトのメルマガで「CSR広報の時代」という連載をさせていただいています。
その内容を一部リメイクしてこちらに掲載いたします。
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■CSRは陰徳を積むことではない
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前回の号で、自社のCSRを理解してもらうためには「広告」ではなく「広報」が必要だと書きました。つまり、自分たちのCSRを自らの手でビラを撒いて歩くのではなく、人から評価されて広まることが王道ということです。
日本人の美徳の一つに「陰徳を積む」という行為があります。人知れず良い事をすることと言われています。本当は「自分も気付かないうちに人のために良い事をしていること」が正しいようですが、企業のCSRはこれではいけません。
なぜなら、企業のCSRは、社会や株主、従業員など、関わる全ての人たちにその内容について説明することが求められているからです。極論すれば「知られていないCSRは存在しない」のと同じことです。
「それはないだろう、こんなに一生懸命取り組んでいるのに!」というお叱りの声が聞こえてきそうですが、自分のポケットマネーで慈善行為をすることとCSRは違います。社会に対して責任を果たすということは、それを公開し、社会に理解を求め、内容の是非を委ねることも重要なことなのです。
その公開資料として、現在主流なのは「環境報告書」や「CSRレポート」、また最近では「サスティナビリティレポート」といった名称で企業から発行されている報告書です。(以後は「CSRレポート」と表現します。)
もしこのメルマガをお読みのあなたがCSRのご担当の方でしたら、きっと社内調整等々、大変な思いをしながらCSRレポートを作成されていることでしょう。このCSRレポートの重要性は今後、間違いなく増大していきます。
■コミュニケーションツールとしての「CSRレポート」
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すでにいくつかの先進的な企業のCSRレポートに見られるように、最近のCSRレポートは、事実が単純に羅列された報告書ではなく、より積極的に自社のCSRを理解してもらうための「広報ツール」として、社会との窓口となる役割を担うべく作成されています。
したがって、CSRレポートを作成する際には、当たり前のことですが、いかに読み手のことをきちんと意識できているか、が一番重要になります。「誰に対して、どんな内容を、どのように知ってもらうか」を最初にきちんと決めておかなければなりません。
その際には、「最低限、この人たちにはわかってもらう」という割り切りも重要です。CANPAN CSRプラスという私がウェブマスターをしているサイトでの大学生1681名へのアンケート調査では、実際にCSRレポートを読んだことがある学生は139名でした。
彼らは3年生と4年生、つまり就職を意識している学生にも関わらず、企業の活動の根幹とも言えるCSRレポートを10人に1人しか読んでいないのです。一方では、きちんとCSRレポートを読んでくれるような優秀な学生が10人に1人はいるということです。
ならば、この学生たちにどうやって自社のCSRを理解してもらうか、CSRレポートを手に取ってくれるような意識の高い市民の方に自社の何を知ってもらうのか、という視点でCSRレポートを構成することも戦略的には正しいことです。
つまり、広報としてのCSRは、万人が読んでなんとなく納得感を持ってもらう広告ではなく、10人に1人の人にドカンと強く訴えるものとして作る大胆さもあっていいということになります。
■CANPAN CSRプラス(カンパン シーエスアール プラス)
http://canpan.info/csr/
☆──[ここがポイント]────────────────
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│ 1.CSRを広報することは社会への責任を果たすこと
│ 2.CSRレポートは社会とのコミュニケーションツール
│ 3.誰に読んでもらうためのCSRレポートなのかをまず決める
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