• 2005.10.03

    日本人としての誇り

    Kitsutani Hernanさんのブログ、「NHKハルとナツ」を読んで、2000年に訪れたブラジルのマナウスとベレンの日系人(または一世の方々)の皆さんを思い出しました。

    特にベレンを訪問した際、日系の方々に色々とお話しを伺う機会があったのですが、並大抵の苦労ではなかったことを肌で感じたのでした。

    そして、彼らがブラジルで生活を営みながら、日本人であることに強烈な誇りを持って生きていたことに深く感銘を受けました。正直、ショックでした。

    自分の住む日本の反対のところに住む皆さんが、遠い日本を思い、誇りに思っていてくれるのに、彼らが持っていてくれた日本人としての誇りを、今の日本に住む日本人で持っている人は少ない、と思ったからです。

    日本が世界に果たしている貢献を考えたら、日本人であることをもっと誇りに思っていいはずです。

    うぬぼれは要りません、が、日本人はもっと誇りを持って、世界でも有数の恵まれた国に住む国民として世界に対して目を向けなければいけないと思うのです。

    でも、そんな情報が人目に触れる機会があまりに少ない・・・

    このCanpanが、そんな情報の集積地の一つになれたらいいのにな、と思いました。

    Kitsutani Hernanさん、これからのブログも楽しみにしています。

    【写真はベレンのファベーラ(貧民窟)にて曽野綾子前会長(中央)と海上保安庁の筒井さん(右)と共に】

     
  • 2005.09.26

    地方アートパワー

    最近、注目している場所があります。

    水戸芸術館」というところがそれです。

    ここは名前のとおり、茨城県の水戸市にあるシンボリックなタワーに象徴されるイベントホール(?)なのですが、今年に入って、個人的にとても好きなユニークなイベントが盛りだくさんになっているのです。

    知る人ぞ知る「海洋堂」の作品をアートとして紹介する「造形集団海洋堂の軌跡展」の後、「日比野克彦Expo展」を開催、今度は日本初の大規模な「グラフィティ・アート」を展開するそうで、そのセンスとパワーに唸りっぱなしです。

    日本のポップアートは、残念ながら社会的なステイタスは高くありません。
    しかし、過去の歴史の中では、今様や猿楽、浮世絵などに代表されるように俗っぽさから始まった民間発信型アートが日本の文化として定着するのは珍しいことではないわけです。

    勝手な想像ながら官僚的な気風がありそうな地域密着型の芸術館が、そういった開発途上的な現代アートを積極的に取り上げるというのはなかなか冒険的で勇気のいることではないかと思うわけです。(もしかしたら水戸芸術館はMoMAを目指しているのかも???)

    こんな企画したらハズすんじゃないかと思うと夜も眠れないのでは・・・とか思ってしまう。
    でも、きっと見てくれる、理解してくれる人がいるはず、と企画を立てて実行する。

    そのスタンスが、個人的にはとてもうれしい。

    皆さんもぜひ「水戸芸術館」に注目してみてくださいまし!

  • 2005.09.16

    自治会の不思議

    自分の住んでいる地域で不思議なことが起こっている。
    今のところに引っ越して丸4年になるが、その頃からすでにそれは起こっていて、最近さらに加速中。

    事の発端は、例の「オウム真理教」の幹部が、ある家(これがなんと自宅からわずか三軒隣)に逃げ込んだことから地域住民間で摩擦が起き、自治会内で意見対立が起こってしまったということらしい。(その幹部も今は別の場所へ引越し、見た目、街は平穏になった。)

    しかし、分裂した自治会はその後、別の理由も合わせて訴訟へと発展、自治会の活動は他から見るとかなりグレーな状態が続いていた。ちょうどこのヒート時代に引越ししてきたので、家のポストには「自治会長を訴えるに至る経緯について」というようなビラが入っていたりした。

    そして、去年から昔からの自治会(A自治会)とは別の新自治会(B自治会)が発足した。

    その理由は、色々あるのだが、要はA自治会はブラックボックス自治会で、役員の選出は特定の幹部が集まった中でしか行われない、収支会計すら情報公開されていない、「これはおかしい」ということらしい。

    この情報が正しければ、確かにおかしい。

    そして、それについて有志で、「なぜ収支を公開しないのか」とA自治会に問い合わせたところ「自治会は任意団体なので公開する義務はない」と答えたという。

    これがホントならホントにおかしい。
    会費を集めておきながら、納めた会員に対して「何に使おうが勝手でしょ」と宣言しているようなものだ。

    そんなA自治会にあきれ果てた有志で、別の、いわゆるオープン型のB自治会を作ったという経緯のようだ。

    B自治会は積極的に地域にビラを配布し、B自治会の趣旨や今後の活動について広報を行っている。それを読む限り、彼らは非常によく勉強しているようだ。

    これに対するA自治会からのビラには「B自治会は公(自治体)に認められた組織ではないので安易な参画は慎んで欲しい。」という内容だった。

    「任意団体だから」と言いながら、一方では「自分達は公(自治体)に認められた組織」と言うA自治会。どうも自分から見るとA自治会がうさん臭い。

    はっきり言ってしまうと、新参者ということもあり、今生活している中で自治会が無くて困っていることは何もない。

    なので、なおさら冷静に二つの自治会を見てしまうが、同じ地域に住む者同士が分裂しているというのは何もプラスが無いことだけは明白。

    なので、平等にA自治会へ会費を納めるのもやめ、どう転ぶのか、しばらく推移を見届けたいと思っている。

    この一件は、都市型、または情報化時代の自治会のあり方を考えるきっかけになったという点で、自分にしてみるとありがたい教材ではある。(うれしくないけど・・・)

  • 2005.09.15

    君こそ英雄

    世の中には、無名の英雄がたくさんいます。
    そんな方々をちょっと紹介したいと思います。

    今回はその第一弾、災害現場で働いていた自衛隊のある方のお話し。

    1995年に起こった阪神・淡路大震災は多くの人たちの命を奪いました。
    そして生き残った人たちからは大切な人やそれまでの生活を奪い、場合によっては人生を変えられてしまいました。

    災害後に現地入りした自衛隊は現場で過酷な労働を続けていました。終日にわたって黙々と瓦礫を片付け、生存者を探し、遺体を収容し、被災者の生活確保に働いていました。

    そんな作業を終えた夜、冷え込む夜空の下で焚き火を囲んで皆で食事。

    「夜、眠れますか?」

    疲れた顔の自衛官が訊いてきます。

    「昼間、かなり動くんで、夜はかなりぐっすりです・・・」

    それを聞いた彼は、「いいですね・・・私は眠れなくて」と言う。
    昼間の作業で疲れきっているはずの彼はなぜ眠れないのか?

    「昼間はね、作業をしてますよね。精一杯やってるから、もし下敷きになった方の遺体が出てきても納得がいくんです。だけど、夜は作業が止まる。この寒い夜の中で今も瓦礫の下で私たちの助けを待っている人がいたらと思うと眠れないんです。だってこの瞬間に死んじゃうかもしれないんだから。明日出てきた遺体はそうなんじゃないかって思うんです。」

    『あなたはどこまで人がいいんだろう、誰もが余裕を失っているこの被災地で、どうしてそこまで人を思いやることができるんだろう・・・』

    彼に励ましの言葉をかけたいと思ったが、あまりの感動に言葉が出なかった。

    自衛隊という制度云々ではなく、こんな人たちががんばっている自衛隊とその活動を認めてあげたいと心底思った。

    あれから10年、災害が起きるといつも、彼は現場に行ってるだろうかと思う。

    敵と戦ったことのない自衛隊の中に、人の命や生活を命がけで助けようとする多くの英雄がいる。
    それは敵をやっつけることなんかより、どれほど尊いだろう。

    日本人はもっと彼らの活動を認めてあげて、彼らを同じ日本人として誇りに思っていい、といつも思う。

    そして、あの英雄たちとの出会いがなかったら、他にやりたいこともあったし、今、自分は日本財団にいないのではないかと思い、間接的ながら、自分もあの震災で人生を変えられた一人かと、ふと思うのです。

    当時の自衛隊のステキな活躍はこちらからどうぞ。

  • 2005.09.13

    クワガタの一生

    皆さんの中にはクワガタの生態に詳しい方もいらっしゃると思いますが、私は小学生の頃飼ったことがあるだけなのでド素人です。

    そんな中、ひょんなことからクワガタを飼うことになり、現在、奮闘中なのですが、友人から前触れもなく、いきなり「クワガタの飼い方」という本が二冊も送られてきました。

    それを読んでいて「えっ!」と思ったこと・・・

    クワガタって一回成虫になったらもうサイズは一生変わらないんだって知ってました???

    つまり、サナギから成虫になったら一生そのサイズで生きていかなければならないんだそうです。

    いくら木の蜜を吸っても、スイカの皮にへばりついても大きくなれないんです。

    これは何だか切ない・・・

    じゃあ、デカい成虫になるにはどうすればいいのか・・・簡単な話で、幼虫時の頃の過ごし方が大切、というか、それしかないとのこと・・・なにやら身につまされる思い・・・

    そして、全国のクワガタブリーダー達は、自然界では絶対に存在し得ないような80mmオーバーのオオクワガタの作出を目指して、今日も菌糸の床で芋虫みたいな幼虫を観察しているというわけだそうです・・・マジで「こんな世界あるんだな」ってしみじみ思いました。

    オオクワガタって数年前までは生きている宝石とか呼ばれ、70mmを超えるビックサイズなんてマジメに100万円とかで取り引きされていましたが、今はもうブリーディングテクニックが確立されて、全国津々浦々でブリードされているので価格も安くなり、ケタが二桁から三桁も変わってしまいました。

    この飼い方本には随所に、「クワガタというのはただの虫だけど、そこには尊い命が宿っているということを飼う人には忘れてほしくない」と書いてある。

    いい本じゃん・・・

    もちもちの木」も捨てがたいが、この本も小学生の夏の読書推薦図書にノミネートさせてあげたいくらいだ・・・

    そして、読み進むうち、残酷に更けていく残暑の夜でした(明日起きれるかな・・・)

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