• 2006.01.20

    言語が失われる

    今日はマサチューセッツ工科大学で教鞭を執られる宮川先生とお会いしました

    先生にはグランドゼロのあった二ヵ月後の11月のボストンで初めてお会いして以来、日本財団のサイトに関するアドバイスをもらっています

    あの時、私は日本財団図書館の前身であった「事業成果ライブラリー」というサイトのリニューアル担当をしており、何とかより社会に役立つ電子図書館を作りたいとアドバイスをいただける方を探していました

    ところが、「売れるサイト」にアドバイスができる人はたくさん候補がいても、「社会の役に立つ電子図書館とはこういうものだ」というアドバイスのできる人はなかなか見つかりませんでした

    そんな中、日本財団が1997年度に支援した団体のご担当に宮川先生がいらっしゃったのです

    先生は専攻は言語学ですが、メディア研究の世界的権威でもあります

    その先生にいきなり「ボストンに出向きますのでお話しを伺いたい」とぶしつけなアポを取ったところ、快諾していただけました

    先生は「こんな時期に何だろう?」と思われたそうですが、私としては事業成果ライブラリーをどうやってより社会に役に立つサイトにリニューアルするかに全力投球していたので、ビン・ラディンがテロを仕掛けて、それに遭遇してもそれは運命と割り切っての訪問となりました

    それ以来、本当に色々とアドバイスをいただきつつ、お会いした際に先生のお話しを聞くのが楽しみであったりします

    そんな先生が現在取り組んでおられる一つが、「人類言語アラート」というもので、ユニセフの発表によれば、二週間に一つのペースで世界から言語が失われているそうです

    この言語、みなさんは日本語とか大きな単位でイメージされると思いますが、実は方言も立派な言語として位置付けられるとのこと困った

    そういう意味で、日本には数十の言語があったにも関わらず、今後残っていくのは数個だけだろうということでした

    そして、その危機に瀕する言語を持つ最たるエリアはアフリカで、アフリカの言語の実に9割は文字を持たない、つまり口述以外の手段がないので絶滅する可能性も高いとのことです星

    方言もアフリカの原住民の言語も一つの人類共通の財産、これが失われていく危機的現状をWebサイトで公開し、周知していきたいというのが先生のお話でした

    また、同じアフリカで先生が進めていこうとされているのがアフリカを第二のインドにするプロジェクトで、ITで成功したインドをモデルに教育をしていくことができないか、今後15年を見据えた教育を今、アフリカに展開していくことが大切と熱く語られました

    非常に考えさせられる中、先生が「日本はアメリカよりもよほど先進国、日本人だけがこんないい暮らしをしていていいはずがない。」という一言が心に残りました悲しい

    Canpanで、今後、MITの学生のみなさんが世界でどんな取り組みをされているかなどを紹介しながら、日本ができることなどを皆さんと考えていければいいなぁと思いました

    はっきり言ってすごい面白い取り組みをしてます、お楽しみに!ロケット