2017.12.19
経済産業省による「ボランティアを活用した共助社会の構築に向けた研究会」の第三回に委員として参加しました。
東京オリパラに向けて企業ボランティア(社員ボランティア)への期待が高まる中、総論は賛成でも現場では必ずしも機運は盛り上がっていません。
その理由を考察し、必要なことなどを議論しつつ、企業が社員ボランティアを積極的に派遣できる仕組みづくりへとつなげることなどを議論しています。
「社会に良いこと」は、誰も反対しません。しかし、いざ自社でそれをコストをかけてでもやるか?という実践面では消極的にならざるを得ない。そこにはそれ相応の理由があります。
そこをきれいごとではなく、企業が持つ組織ロジックや環境を踏まえて、現実的な落としどころを探る、そこにこの研究会の要諦があると思っています。
第一回目の議事録はこちらからご覧いただけます。
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/mono_info_service.html#volunteer
2017.12.13
11月26日に開催された飯綱ママフェスタにて、来場して下さったママさん達へ向け「心でする育児講座」をさせて頂きました。
今回は
・泣いたりグズったりした時に「優しい気持ちでいられる方法」
・育児に疲れた時に「心を元気にする方法」
をメインステージのスクリーンを使いながらお話しさせて頂きました。
お子さんと一緒に話を聞くとなると
どうしても「子ども達を静かにさせなくては…」そう思いがちですが
「心のサイズの違い」と言う考え方を知るだけで
ママ自身はもちろん、周りで聞いる皆さんまでもが
子ども達が泣いたり、グズったりしても「温かく」見守れる様に変われる方法や
育児と向き合うママさん達の心を
「ママのメンタルケア」を通し軽くする方法などを紹介させて頂きました。
お話し中、涙を拭うママさんの姿があったりと
セミナーを開催する度「ママの頑張りを認める場の少なさ」を感じます。
そして、子ども達の前で笑顔で居る為にも
育児中の「ママへのメンタルケアの重要性」を改めて感しました。
会場では、ママ達に少しでも穏やかな気持ちで聞いて頂ける様
小さな遊びスペースの周りをママ達の椅子で囲むスタイルにして頂きました。
そしたら…!
沢山の贈り物を子ども達から頂き…(涙)
子ども達の「素敵な心遣い」に、
ママの達の愛情と日々の頑張りが伝わって来ました。
子育て、お休みもなく毎日本当に大変ですが
「考え方を変えるだけで」沢山の気づきを得れる様に変わる事が出来ます!
興味がある方は
是非一度セミナーに参加してみてください( ´ ` )
日菜あこ 〈心育児研究家〉
19歳で妊娠出産し、現在中1、小5、小3の3児シングルマザー。
子育てアドバイザーやメンタルケアスペシャリストの資格を活かしながら心育児研究家としてママのメンタルケアを中心にセミナーや企画などを行なっています。
公式blog https://ameblo.jp/hinaako/
2017.12.07
WAOにて「世界を旅する水中写真家」の古見きゅうさんをお招きしてのセミナーが開催され、まさかの「海の旅人ワオの物語」をゲット。
この本、写真集的な絵本で、これはぜひ子ども達に読んでほしい一冊。
個人的にはトラック諸島に眠る旧日本海軍の軍艦などを収めたきゅうさん渾身の一冊、「TRUK LAGOON」が響いた。
【共創空間WAO】
http://wao-koishikawa.com/
2015.10.06
年金積立金管理運用独立行政法人(以下、GPIF)のウェブサイトに「国連責任投資原則への署名について」という平成27年9月16日付のプレスリリースが掲載されましたね。
これは先のニューヨークで行われた国連サミットで安倍首相が演説の中でも触れた大きな動きの一つなのですが、日本のマスコミからは全く無視されました。
■国連責任投資原則への署名について■
http://www.gpif.go.jp/topics/2015/pdf/0928_signatory_UN_PRI.pdf
GPIF と言えば世界最大の機関投資家と言われ、その運用額はなんと141兆円に上ります。
このうち約45%が国内外の株式投資に運用されています。
国民の年金という性格のお金ということを考えると、その運用リスクを含めて少し割合が大きすぎるのではないかという別の課題がありますね。これはこれで大きな問題なのですが、それはまたあらためて。
今回は、このような世界最大の機関投資家が満を持して、あるいは世界から遅れること数年にして責任投資原則に署名したということがもたらす意味とインパクトについて考えてみたいと思います。
責任投資原則は、「PRI(Principles for Responsible Investment)」と略され、2006年、当時の事務総長であったコフィー・アナン氏が提唱したイニシアティブです。
ここでは、機関投資家の意思決定プロセスにおいて、三つの課題である環境・社会・ガバナンスという、いわゆるESGを反映させるべきであるということが謳われています。
つまり「投資をする際には、環境や社会、ガバナンスにきちんと取り組んでいる企業を選ぶべきである」ということになります。
世界では、このようなESGを含めたSRI(社会的責任投資)の動きは年々活発化しており、大和総研のレポートによれば、2014年の世界全体のSRI市場の規模は約21.4兆ドルで、2012年時点の約13.3兆ドルからわずか二年で61.1%もの拡大をしているようです。
日本ではESG投資が「社会貢献的な投資」と勘違いされている場合もありますが、これは間違いです。
2008年のリーマンショック後に投資家が考えたことの一つが「社会を裏切らない企業に投資したい」というニーズでした。
特に年金などを扱っている機関投資家にとって、リーマンショックなど悪夢以外の何物でもありません。とにかく社会を裏切ることなく、まっとうにビジネスを続けてくれる会社に投資したいというのは自然な流れです。しかし、これまでのIR情報だけではそれは判断できません。
ESG投資はこの視点に合致するもので、社会貢献企業への投資という側面はたしかにありますが、投資リスクの軽減と持続可能な投資を可能にするからこそ注目されたわけです。
このような考え方の投資家が増えていくと対象となる企業も変わらなければ投資を受けられなくなります。これは非常に大きなパラダイムシフトです。
この流れは今後、ますます加速していくのは間違いないでしょう。
GPIFという巨大な機関投資家がこの流れに乗ったということは、これまでSRIの動きが鈍かった日本社会でもそれが進んでいくということを象徴する出来事です。
それは単なる利益の追及だけでなく自社の社会的価値をより一層高めていくことが良い投資家からの資金を得る可能性が高まり、組織の持続可能性と競争力を高める原動力となっていくことをも意味しています。
2015.09.12
みなさんがもし経団連に所属する会社に勤めていらっしゃるとしたら、経団連が1991年に制定した「企業行動憲章」をご一読されることをおすすめします。(2010年に一部改訂が行われています。)
■(社)日本経済団体連合会 企業行動憲章■
https://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/cgcb/charter.html
1991年と言えば日本は空前のバブル絶頂期にあり、企業によるメセナ活動も活発化していました。経団連による1%クラブが立ち上がったのは前年の1990年、まさに近代日本における企業の新しい社会的な役割というものが定義されていった時代でした。
しかし、翌年には完全にバブルがはじけ、日本社会は「失われた20年」へと突入します。それに伴い、盛んだった企業のメセナ活動も大きく後退、少なくとも2003年の「CSR元年」を迎えるまでの約10年間、日本企業は社会的責任という部分において全く存在感なく、バブルというお祭りの後始末に追われることになります。
「企業行動憲章」はこのような、世界中で日本企業が大きな存在感を発揮していた時代に作られました。したがって、この憲章は、当時グローバルな活躍をしていた日本企業にとっての振る舞いを含めたあるべき理想を表現したものと言えます。
バブル経済真っ盛りの浮かれた時代の中で、このような高邁な理念をどれだけの経営者がまともに理解していたのかはわかりません。むしろ念仏程度にしか思っていなかった経営者のほうが多かったのではないかとも思います。
あれから四半世紀が過ぎた今、私たちはあらためてこの憲章の意味を考える時に来ていると思います。
なぜなら、この理念の中で企業は持続可能な社会の創造に資し、さまざまな課題に対応することを求められていることが明記されており、それを社会が企業に希求する強さは今の時代が最も大きい、つまりニーズがあるからです。
国も行政もすでに限界、次の社会課題解決の担い手は間違いなく企業です。
これまでの企業の役割は、課題を解決することよりも人々の生活を豊かにすることに主眼が置かれてきました。それによって私たちは快適な生活を手に入れることができたわけです。
そして今、生活の豊かさのみでなく、次世代に負債を残さないような持続可能な社会の実現と社会課題の解決のために企業ができること、自分たちのビジネスでできることを考えることが、社会と自社の持続可能性を高めていくことにつながります。
今、日本企業は、これまでの20年間に失った世界の中での存在感を「未来社会の創造」を通じて取り戻す時代が来ているのです。
それは社員にとっても自分の仕事の価値と会社への忠誠を高めることにつながり、組織全体のバイオリズムを上げることになるでしょう。