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食糧は無いのではなく、適切に配分されていないだけという不都合な真実

AFPBB Newsによれば、フランスでは大手スーパーマーケットに対して売れ残った食品の廃棄処分を禁止する法案を全会一致で可決したとのこと。

■AFPBB News■
http://www.afpbb.com/articles/-/3049510

本記事によれば、今後、大手スーパーは食品廃棄を防止する対策を義務付けられて、売れ残った食品でまだ食べられるものは慈善団体へ寄付するか、家畜の飼料や農業用の堆肥に転用しなければならないそうな。

そしてまた、全店において食品寄付を行っている慈善団体と契約を結ばなければならないというおま
け付き。

フランスと言えば食料自給率は110%超え、農業大国で知られているわけですが、同時にフランス人1人当たりの1年間の食品廃棄量は20~30キロで、そのコストは最大で年額200億ユーロ(2兆7000億円)にも上るという食料廃棄国でもあったというわけですね。

フランス政府としては2025年までに食品廃棄量の半減を目指してのこの法案ということで、全会一致というのは滅多に無いことだそうです。

これは本当に素晴らしい。

世界では10億人が飢餓で苦しみ、5秒に一人の子どもが餓死していると言われる一方で、これだけの食料が捨てられているという事実がある。

日本人の中には、そんな飢餓に苦しむ子ども達のために寄付している方がたくさんいらっしゃる。
これもまたこれで素晴らしい。

が、しかし。。。

そんな日本、スーパーに並ぶ食品の6割近くは輸入品。その量、年間で5000万トン以上。
さらにその3割近くを捨てていて、その量、2000万トン(ホントに?!)

2000万トンのすごさたるや…WFPによる世界の食糧援助の総量は470万トンだそうなので、その軽く4倍、途上国なら5,000万人分にもなる穀物量が廃棄されているということだそうで。。。

さらにさらに、その半分以上にあたる1000万トンが家庭から捨てられていて、残飯の総額は、全体で年間11兆円!(旧科学技術庁「資源調査会第123回報告」より)
これは日本の農水産業の生産額とほぼ同額で、その処理費用で、さらに2兆円が使われていると。

その廃棄率は、世界一の消費大国のアメリカをドーンと上回って世界一。日本ほど大量に食糧を輸入しながら、廃棄を続けている国はない、と。

先ほどの飢餓問題も、世界で穀物は24億トン生産されていて、その量は世界中の人たちが必要な量の約2倍生産されている。

つまり食べ物は足りていないわけではなく、適切に配分されていないだけ。
一方では大量廃棄、一方では大量餓死・・・

うばい合えば足らぬ わけ合えばあまる、と言ったのは、相田みつを氏。

まさにそのとおりなんですよね。

ちなみに、これからの気候予測によれば、砂漠化が進むことで農業生産量は減少し続け、飢餓に
苦しむ人たちの数はどんどん増える。

まずは自分の目の前にある食べ物を無駄にしないことからくらいしか個人にはできないけど、なんともやりきれない。

フランスに見習って、せめて日本の政府も早くこういう動きをしてほしいもんです。