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「「社会を変える」お金の使い方」を読む

NPO法人フローレンスの代表をつとめる駒崎弘樹さんが書いた「「社会を変える」お金の使い方」を読んだ。

彼がいかに熱い思いをもって活動しているかは、私があらためて言うまでもないことながら、この本を読むと、彼の思いが言葉になって現れていて、あらためて感動を覚えた。

社会を変える人間の持つ「」に触れられる貴重な一冊だ。

そして、CANPANプロジェクトでは、フローレンスさんの活動を一部サポートさせていただいているが、それがなぜなのかをこの本を読んでいただければわかっていただけると思う。

そして、下記の文章にとても共感を覚えた。

そうそう。出版社の方が「寄付について書いた本は、きっと毒ガエルの飼育マニュアルと同じくらい売れると思います。」と悲しそうな顔をしておっしゃっていたので、この本はあまり多くの方の手元に届かないかもしれません。でも、私は希望を失いません。

この言葉の持つ重さを私は二つの思いで読んだ。

一つは、暗澹たる現状への思い。

日本には、NPO法人だけで約4万もの団体が存在する。
この数は、実は日本にある全てのコンビニエンスストアを超えるくらいの数だ。

そして、彼らの多くは社会の中で必死に社会課題と向き合っている。

にも関わらず、この言葉の持つ意味は、そんな彼らに対して社会が関心を寄せていないという事実を明らかにする。

そんな事実に気持ちが凹んでしまった。

そして、もう一つは、未来への希望への思い。

彼が述べているように「希望を失わない」ということとリンクするが、明らかに時代の流れが変わってきていることを自分も感じ、CANPANプロジェクト自体もそのうねりを受けて大きな舵をきっている。

2011年が明けてすぐ、CANPANプロジェクトをふり返らなければならないことがあり、昔の資料を眺めていて驚いたことがある。

2008年12月に役員に提出したその資料には、「寄付マーケットを広げるために最も有効な手段は税制改革しかないが、それは現時点で不可能と考える。」と自分で書いていた。「CANPANプロジェクトはそこに対しては打つ手がない」とも・・・困った

ところが、そのわずか二年後に、税制が変わることが決まった。

時代は変わりつつある。成果が出てくるまでにまだまだ時間はかかるだろう。
でも、それは希望の光だ。

彼が流れを作った「新しい公共」の推進会議に、自分もワーキング・グループの委員の一人として関わることになったのは、そういう意味でも偶然ではないのだろう。

そして、この本は、私も出版社の方と同じように「毒ガエルの飼育マニュアル」程度、売れると思う。

だが、数年後、この本は多くの人に読まれる本になるかもしれない。
それだけの価値が、この本にはある。

でも、時代を考えると、もしかしたら現時点で「犬の飼育マニュアル」くらい売れるかもしれない・・・というか、売れてほしい。

このような素晴らしい本を執筆された駒崎さんにあらためて敬意を表すると共に、出版された英治出版さんにも同じく敬意を払いたい。

ちなみに、英治出版株式会社という出版社もまた、社会企業と言っていい素晴らしい出版社である。

以前、アダム・カヘンさんが書かれた「未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術」を15冊ほどCANPANに寄付していただいた際、社長の原田さんがおっしゃったのは、「この本は、社会を変えたいという熱い思いのある人にだけ配ってください。」という言葉だった。

幸い、自分の周りにはそんな人がわさわさといて、あっという間になくなってしまったが、英治出版という会社は、そんな素敵な会社であるまる

ぜひ、みなさんもこの本を手にとって読んでみてください。読み終わった後、自分が少し元気になっていることに気付きます(笑)