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グーグル革命

笹川会長(日本財団)から、「NHKのGoogle特集見たか?」と聞かれ、テレビをほとんど見ない私は「・・・いえ、見てません・・・」「すぐ見ろ、みんなで見ろ」ということになりました。

それで、情報グループでNHKスペシャル「“グーグル革命”の衝撃 あなたの人生を“検索”が変える」を見ました。

Googleの理念の高さ、システムのすごさ、インターネット界にもたらした衝撃は確かに革命と呼ぶにふさわしいので、今さら私が述べるまでもないため割愛しますが、Googleについてあまり知らない人にとって、あの番組は強烈なインパクトがあったということは容易に想像ができます。

番組の中で、「Googleの上位10位(だったかな?)までに出てこなければあなたのサイトは無いのと同じ」というSEO対策会社の社長さんが顧客のリスナー達を相手に話すシーンが出てきます。

Googleに認められないことは存在を否定されてしまう・・・恐ろしいことです。

なので、あえて言いたいのですが、「Googleがあなたの人生を変えるか?」と言われると「変わらないですよ」と答えます。

Googleは、情報化社会における近代合理主義の究極を具現化しているのではないかと思います。しかし、どれほどのものであれ、Googleは単なるツールです。

ガソリンが要らない太陽の光だけで永久に走る究極のエコカーがトヨタから発売されたら、みんなそれを買うでしょう、むしろそれで地球の温暖化が止まるなら、車を利用する人はみな買うべきです。
Googleの一人勝ちはこれと同じこと。

この視点が見落とされがちなのではないかと思います。

つまり、「あなたの人生をGoogle(検索)が変える」のではなく、「あなたがGoogle(検索)を選ぶなら、人生を変えられる(かも)」という言い方がより正しいでしょう。(テレビ番組なので刺激的なタイトルにしただけだと思います・・・)

例えば、有名なmixi(ミクシィ)の中の情報はGoogleでは検索されず、mixiの中でしか検索ができません。たとえそこにどんなに有益な情報があったとしても、Googleからそれは見えないのです。(間接的に知り得るかもしれませんが)

Googleは公開されている情報に限り、優秀な検索エンジンですが、非公開の情報や、Googleのクローラー(サイトを探して情報を収集するロボット)が苦手とするサイトの情報は検索されない。

それでも、あなたがGoogleというツールを選んで使っている、というだけの話です。
テレビを点けたら面白い番組をやっていた、「あるある大辞典」、次の日に納豆を買って食べた。

これも同じこと。

その情報を得る手段、得た情報をどう捉えるか、その情報でどう動くか、それは自らの判断と選択の結果です。

大切なことは、情報には必ず何らかのフィルターがかかっていることを理解した上で自分で判断して動き、結果に覚悟と責任を持つことです。特に日本人はこれが苦手なのかもしれません。(こんなことを言っている自分が一番あやしい)

Googleは「インターネットの意志」がGoogleの強さだと言います。
この理念をGoogleが持っている限り、Googleの一人勝ちは決して人類にとって忌避すべきものではない。ローマ帝国とキリスト教との関係のように世界とGooleを捉えるべきではないと思うのです。

ITの世界で生きていく、ITを使って金を稼ぎたいと思っている人にとってGoogleを無視することは無理があります。でも、そうでない人は、これからも単純に便利にGoogleを使えばいいのではないかと思います。実際怠惰な私にはとても便利です。

私は「CANPANというサイトはツールでしかありません。このツールを使って公益活動をしている皆さんが力を合わせること、コミュニティを作って世の中のために活動する幅を広げていくことこそが財産です。」と常々話しているのですが、それはこの発想によります。

CANPANも所詮はツール、高い志を持って集う人々とそのコミュニティと情報の共有、これができる社会的インフラを提供できることがCANPANの存在意義であり、価値です。

映画「マトリックス」ではないので、インターネットに人は住めません。
人はリアルで、それ故にネット以外の世界がもっと大切にされなければならないのですが、今はそれが逆転していることが当たり前と思っている人が多いように感じ、Googleの一人勝ちより、そちらのほうが気になるのです。

※この記事は企業的な視点ではなく個人向けに書いています。