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ナスカ展に行く

国立科学博物館で開催されている「ナスカ展~地上絵の創造者たち~」を観に行った。

ご存知の通り、ナスカの地上絵ほどロマンをかき立てられる世界遺産も少ない。

さらにミステリー好きな私としては、ナスカの地上絵は、それこそ小学生の頃から好きな史跡である。

以前、とあるご縁でペルー大統領専用機でナスカ上空を飛ぶ機会に恵まれたが、あまりに高度が高いので全く地上絵は見えず、行ったことは行ったが、地上絵は見ていないという不思議な体験を持っている。

ということで、今回の展覧会の目的は地上絵についての薀蓄を学びに。。。のはずが、ハマったのはところ狭しと並べられた壷などの陶器類であった。

ここに描かれたデフォルメされた様々な絵は、ナスカの地上絵とは違う魅力をたたえていた。
全体としてはとてもユーモラスで、明るく、思わず微笑んでしまう系の絵である。

しかし、そのとてもユーモラスな絵が、戦争によって得た敵の首を描いたどろどろ系のモチーフだったりもする。

彼らにとって戦争に勝つということの喜びを表現し、神に感謝するためのデザインというのは間違いないだろうが、純粋に絵が醸し出す雰囲気的には、この絵を描いた人物、または文明は、戦争すら人生の豊穣さの一つと考えるほどの楽天性を持っていたのではないかと思う。

ある意味ナスカの人々の図太さというか、ラテンに通じるマインドを、時代を遡って再発見したような気持ちになり、同時にナスカ文明をさらに好きになった。

今の日本人に必要なのは、こういう図太さなのかもしれないと、理由は特にないが漠然と思い、ぜひ、ファッションデザイナーやインテリアデザイナーにこの意匠を見てもらい、現代風にモダナイズしてもらいたいと思った。