人間は、地球上で最も進化しているゆえに最も絶滅しやすい。
進化生物学的な視点でいうと、進化というのは「その環境に特化していくこと」。
つまり、ある環境に特化して適応し過ぎていくために変化に弱くなり、絶滅の可能性が高まるということらしい。
F1レースのフォーミュラーカーが、一般道すら走れないのに似てる。
乾いた路面用のタイヤが雨に極端に弱いのにも似てる。
地球上の生命体の中で、今の地球に最も適応した生物、人間。
この世を謳歌中。
一方で、地球環境はこの数千年、人類が文明を持ち始めてから激変している。
それらの変化の多くは人類自身が招いたことが原因と考えられている。
つまり、絶滅の可能性を自ら高めている。
ノーマン・マイヤーズによれば、恐竜時代には1000年でわずか1種だった種の絶滅は1600~1900年で4年で1種まで、さらに1975年には1年で1,000種になり、なんと1975~2000年には毎年4万種もの絶滅が起こっているらしい。13分に1種が絶滅してる計算、このスピードは単純に、相当ヤバい。
それはさておき、思ったことはそこではなく、日本人は、突き詰めて、「匠」化することに美を見い出す。「極める」というような言葉も大好きだ。
それはたしかに魅力的。料理でも道具でも極めた人のそれは素晴らしい。
しかし、進化生物学的な視点でこれを見てみよう・・・
それって変化に弱いってことなんじゃないか?
効率最優先の経営、ものづくり、サービス・・・日本企業は右肩上がりが前提の、インフラが整備され、それがゆるぎないことが前提の中で匠化し、世界を魅了し続け、驚かせてきた。
今の時代、それが通用しなくなってきている。
そんなことを考えていくと、黒船でしか日本人は変われないという言葉の理由も、なんとなく納得できてしまう。
納得してても仕方がないので、そんな日本人の気質に合った変化というものがなんなのか、そういうことを考えていかないといけないんだろう。
不安定と変化に特化したビジネスモデル、そんな匠モデル? なんだそれは。。。
シンプルに考えれば、大量生産、大量消費とは真逆路線の究極のカスタマイズ産業なんだろう。ニッチ路線てやつ。
地産地消とかもそうだろう。食糧や再生可能エネルギー、世の中の動きの中に、絶滅回避と変化への対応の動きはすでに出現している。
それらをスケールさせて、大企業でも許容できるサイズにしていくことで色々なことが大きく変わっていくんだろう。
あるいは大企業の中で働く社員の中に、そのようなことに気づいて動いている人たちが変えていくだろう。
今はその黎明期ということなのかもしれない。いや、そう思いたい。