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最終戦争論 石原莞爾

昔から日本史が好きだったが、小学生の頃は縄文時代や弥生時代など物証が乏しく時代を推測せざるを得ない時代が好きだった。

中学になる頃、格闘技にハマりだした頃から中国の三国志や水滸伝にハマった関係もあって戦国時代が好きになり、幕末が好きになっていった。

高校の頃はよく覚えていないが、たぶん戦国と幕末が好きだったのだろう、なにしろ高校二年の時に書いた論文は「新撰組は悪だったのか?」である。

年齢と共に好きな時代が近代に近づきつつ、この頃から変なクセがついていたことに気づく。
つまり、歴史的に悪と呼ばれる、または評価されている人や事象を「本当にそうなのか?」と思う視点である。

これがアメリカ留学後の大学生になった後はさらにひどくなる。

近代史なら、まだ生きた本人に会えるではないか!実際に会ってみよう!という無謀な行動に出る。

そこで、故田中角栄氏は、本当に世間に言われるような悪徳政治家だったのか?という疑問を解消するために色々と調べ始める。

そもそも本当に田中角栄氏がワルなら、なんでそんな人物を新潟県民は自分たちの代表として国会に送り込むのか、全く意味がわからなかったわけである。

それを考えていたらさらにエスカレートして、「カルト宗教は本当に悪なのか?」という疑問にもぶつかり、あの麻原彰晃と握手までするというていたらくだ。

私は実物の麻原を見て、「こいつは本当にNGな奴だ」と思った。
それを社会人になってから思い出して小説にして書いてみたりもした。(サリン事件の一年ほど前のこと・・・)

そして、とあるきっかけから私の勤める日本財団を創った故笹川良一氏も同じような評価をされていた人物の一人であったので、その真意を知るべく、就職までしてしまった・・・困った

笹川良一氏は実際にお会いしたが、そんな気配は微塵もなく、むしろ威風堂々というのがふさわしいオーラを放つ人だった。今は私が最も尊敬する人物の一人である。

戦国時代や幕末は、多くの人の関心を得、最近では歴女と言われるように女性にも関心を持たれるようになった。(どうも歴史自体に興味があるわけではないようだが・・・)

その研究や視点は非常に多岐に渡り、客観性もある。

しかし、近代史はどうか?

大東亜戦争を含む日本の近代史に関する日本人の評価はあまりにも単一的に過ぎ、思考停止状態ではないかと思う時がある。

そもそも田中角栄氏がダークなイメージの政治家であるのはなぜか?

マスコミがそのように世論を作り上げたというのは、そのような側面が強かったことは間違いない。しかし本当にそれだけなのか? 単に新聞がそう書いていると鵜呑みにしてしまうほど日本人の知的レベルは低いのか?

そんな様々な疑問を自分なりに解決するべく、こんな本を読んでみた。

石原莞爾氏についての解説本は過去に何冊か読んだが、その元になる本人が書いた本を読んでいなかったのは全くうかつである。

歴史的に重要な人物評を他人に任せてしまっていた自分を恥じつつ、あらためて様々な書物を読みながら、終戦記念日を迎えようと思うのである。