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「社会全体で子どもたちの育ちを支えるために企業と市民にできること」で講演

中京大学社会学部で発達臨床心理学を教えられている辻井教授にお招きいただき、アスペ・エルデの会が主催、中京大学社会学部辻井研究室共催のセミナー「社会全体で子どもたちの育ちを支えるために企業と市民にできること」でCSRについて講演をさせていただいた。

講演のテーマは「次世代育成に関連した企業の社会貢献の可能性」というもので、まさにCANPANとCANPAN CSRプラスにとって重要なテーマの一つである。

アスペ・エルデの会という団体の活動の詳細についてはこちらをご覧いただければと思うが、ざっくりと言えば「発達障害」を持つ方々(特にお子さん)とそのご家族への支援、「発達障害」そのものに対する社会の理解促進のための活動をされている団体である。

発達障害者支援法が一昨年に施行されたことを受け、行政の取り組みも始まったことから、支援についてはあらたな局面を迎えたといえる。しかし、これはむしろ始まりであり、社会にどう理解してもらうか、社会がどう理解して受け入れ、支援していくかは、これからの大きな課題である。

その支援に中部電力、名鉄インプレス、日本たばこ産業、明治安田生命といった各企業の皆さんが関わられている。

中部電力の立松氏のご紹介によれば、1万部を配布されている広報誌「交流」の中で自社のCSR活動の一環として開催した「親子deクッキング&ふれあい教室」を紹介すると共にアスペ・エンデの会の活動を紹介されている。

また、名鉄インプレスの長谷川氏からは、イルカとのふれあいを通じた「イルカ介在療法」のご紹介があった。個人的にはこの取り組みはとても面白いと感じ、色々な意味で企業のCSRとして可能性を感じた。

たいへん失礼な話ではあるが、名鉄インプレスという名前を聞いて私は業務内容がわからなかったのだが、博物館の明治村や日本モンキーパーク、南知多ビーチランドなどを展開されていると聞いて、「あー、知っています」という話になった。

名鉄インプレスで展開されているこれらの事業は、CSRとかなり深い関わりを持つ。

明治村には私も行ったことがあるが、日本における明治文化を残した貴重な博物館である。ここを一企業が運営するというのはどういうことか?

日本の貴重な文化を後世に伝えるということを企業が主体となって行っているということであり、立派なCSRなのである。

CSR=社会貢献ではない、企業の社会貢献はCSRの一部分ではあるが、CSRはもっと企業の活動における本質的なものだ。

実は世の中にはCSRのために興ったという不思議と思えるような企業も存在する。

それらの企業ついては、今後CANPAN CSRプラスでご紹介させていただきたいと思っているが、こういう企業があることを社会はもっと理解しなければいけない。

「企業なんだから全て営利が目的なんでしょ?」というような平面的な見方では、今のグローバルな企業の多様な有り様を理解することは不可能だし、そもそもの昔から、多くの企業は創設の理念として「社会のために」ということを掲げている。これは決してお題目ではないのである。

したがって、立派なCSRを行っている企業を社会は応援してあげなければならない。
同じ商品を買うなら、CSRをきちんと行っている企業の製品を買うというのは立派な応援であり、市民側としてはこれ以上の応援はないかもしれない。

そして、企業側もそれを堂々と社会に対して発信し、理解者を増やす努力をしなければならない。

それをつなぐための共通言語としてCANPANとCANPAN CSRプラスは存在する。
自社のウェブサイトで情報を出しても、単なる宣伝としか受け取ってもらえない情報が、第三者的な「CANPAN CSRプラス」というサイトで全社共通のプラットフォームを使って情報を発信することにより、そこにCSRの意味が自然と付加されて伝えられるのである。

そして、CANPANとCANPAN CSRプラスは、まだまだ開発途上にあり、さらなる機能的・情報的充実により、社会と企業のCSRの協働を目に見える形で支援できるようになる予定だ。

私の講演は、今回、企業の方だけでなく、市民団体の方、また発達障害をお持ちのお子さんのご家族の方など多くのステークホルダーの皆さんが集う場ということで、CANPANを中心とした可能性について全方位的にお話しをさせていただいた。

短い時間で色々とお話しをしてしまったため聞いていた方はお腹いっぱい状態だったのではないかと思うのだが、これを機にまずはCANPANで情報を発信していってもらいたいと思う。

このような機会にお声掛けをくださった辻井先生はじめアスペ・エルデの会の皆さまに感謝申し上げると共に、今後のますますのご活躍をお祈りいたします。ありがとうございました!まる