東日本大震災の災害支援では、現在も引き続き多くの企業が社会貢献として様々な活動に取り組んでいます。
その中でも、存在感のある活動を展開している企業の一つが宅急便のクロネコヤマトで有名なヤマトホールディングス株式会社(以下、ヤマトHD)です。
東日本大震災発生初期、被災地は道路寸断とガソリン不足により陸の孤島と化し、大きな問題となっていました。
そのような甚大な被害の中、陸送のプロである彼らはグループ企業一
丸となった「みんなのチカラプロジェクト」を打ち出し、3月23日から
車両200台と社員500人で編成した救援物資輸送協力隊で支援活動を行
いました。
そして、現在も続く「宅急便ひとつに、希望をひとついれて」をキャッチコピーとした「宅急便1個につき10円寄付」を決定します。これはヤマト運輸の前年度の取扱い個数から想定すると総額約130億円、これはヤマトHDの予想連結純利益の約40%を寄付することになります。
12月末までに約110億7800万円を集め、ヤマト福祉財団を通じて宮城県南三陸町の仮設魚市場の建設や岩手県野田村の保育園建設などにすでに寄付をしています。
これらの活動が市民に高く評価され、ヤマトHDは、日本財団が毎年実施している市民の投票によるCSR大賞でグランプリを獲得しました。
■ヤマトホールディングスがグランプリ 東日本大震災支援でCSR大賞■
http://blog.canpan.info/koho/archive/1605
この受賞にあたり木川眞社長は「社員全員が参加し、私たちのあるべき姿(社会的責任)を形として示すことができた。」と語られました。
この取り組みが社会の共感を生むことができた理由として、寄付そのものはヤマトHD負担ながらも、消費者自身が宅急便を利用することで被災地支援に参加できる仕組みとして展開したことが挙げられます。
近年、本業を通じた社会貢献の在り方が叫ばれる中、社会からの共感を生みながら取り組みを展開しているヤマトHDの活動は、多くの示唆を私達に与えてくれます。