ふだんの生活でほとんどテレビは観ないが、先日、休みだったこともあって、ふとテレビを点けたらNHKの番組で下の番組をやっていた。
フードサービス「わたみ」の社長であられる渡邊美樹氏が熱いトークをしていたので、チャンネルを変えずに思わず見てしまった。
渡邊氏の活動は多岐にわたるが、個人的にすごく注目し始めたのは「学校法人 郁文館学園」の理事長になった頃からである。
日本の教育が抱える問題点は、文科省や教育委員会だけで解決できるようなレベルでないのはあらためて言うまでもない。そんな中、渡邊氏の教育界進出は『日本の教育を変える起爆剤になるのでは?』という期待感を抱くのに充分だった。
さらに以前、「構想日本」の企画で日本財団ビルでセミナーを行った際、渡邊氏の生トークを聞く機会があり、『マジですごい人だなぁ』と思った。あの時以来、さらに注目するようになり、将来的には何らかの形でCANPANに関わってもらえないものかと思っている。
そんな渡邊氏は、NHKに対する提言でもとても熱く、NHKが変わらなければならない理由を自分の学校経営を例にしながら説いていた。
しかし・・・それを聞いていたNHK副会長の永井氏のリアクションとコメントを見た率直な感想は、『NHKは変われそうにない』である。
「あなたとNHK」という番組に副会長自らが出演する、その決断と行動力は評価できるし、永井氏も辛い立場なのだろう、きっと色々あるんだろうと思う。
けれども、あなたの立場で、そんな一コメンテーターとしての批評家のように、さも他人事のようにNHKを語ってどうするのか?全く改革したいという熱意というか熱さが伝わってこない。
渡邊さんのような信念と情熱がなかったら、その下で働く職員が変わるわけないことに気付いてほしい。まだまだあなたは苦しみ抜けていない。そんなの肩の荷が重過ぎる、嫌だというなら今すぐ副会長を辞めるべきだ。
以前、ブラジルに行った時、日系人の人たちはNHKの番組を本当に楽しみにしていた。日本に住む自分よりも日本のニュースなどに詳しかった。
世界中でNHKを楽しみにしている人がいる。
その人たちのために、NHKは変わって欲しい。NHKの理念を実現できる組織として。
金に飽かして主役級の役者ばかりを集めて大河ドラマを作ることがNHKの理念ではあるまい。しかし、実態はその事実に集約しているのだ。
NHKを支えてもらいたいと本気で思うなら、人の心に訴えることのできる組織に変わるための生みの苦しみの中に自分達を置き、それを行動で視聴者に訴えてから「受信料不払いに法的罰則」などという対応を検討すべきだろう。