東日本大震災から一年が経ちましたが、引き続き被災者支援を続けている多くの企業があります。
今回、ご紹介するのは、「あったらいいなをカタチにする」というコピーで有名な小林製薬株式会社(以下、小林製薬)です。
小林製薬は大阪に本社があることもあり、東日本大震災に関しては震災発生初期から支援に向けた動きをすることができた企業の一つでした。
様々な支援物資の提供にはじまり、寄付付き商品の売り上げによる3億円の寄付をベースとした「青い鳥基金」の立ち上げなど、多くの支援活動を展開しています。
これらの活動の中で特に注目すべきは、社員ボランティアによるトイレ清掃活動です。
なぜなら、小林製薬はサワデーや消臭元という芳香剤や消臭剤を製造しているメーカーであり、トイレについてはプロフェッショナルな企業だからです。
グループ統括本社、広報部の小林昇氏は「トイレをちゃんときれいにするにはノウハウがあり、今回のボランティアでは社員がそれを踏まえて避難所のトイレを清掃して回りました。」と語ります。
衛生的に課題が多いと指摘されていた避難所のトイレの掃除をこれらの社員がボランティアとして行うのは、本業でのノウハウを使った素晴らしいボランティア活動と言えます。
今、一つの流れとして、企業の社会貢献は「本業を通じた」ということがキーワードであり、プロとしての社員がそのスキルを活かしたボランティアを行うという意味の「プロボノ」という言葉も生まれています。
同じ社員ボランティアでも、本業を活かせる活動に取り組むことで組織の存在理由ともつながるストーリーがそこに生まれます。
これは社会から共感を得やすいだけでなく、社員のモチベーションの向上にもつながるものであり、社員ボランティアを組織として進めていく上では、必ず考えるべき価値のある取り組みなのです。