「スーパー広報術」というサイトのメルマガで「CSR広報の時代」という連載をさせていただいています。
その内容を一部リメイクしてこちらに掲載いたします。
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■市民活動と自社のCSRとの協働
前回の記事で、CSRを展開する中で誠意を伝える手法として、自社だけではなく第三者を巻き込んだCSR活動を展開し、それをお互いに広報し合うことがおすすめと書きました。今回は、その具体的な方法について書いてみます。
皆さんは「協働(きょうどう)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
この聞き慣れない言葉は、最近、特に行政が「協働」を掲げ、市民と一緒に作る施策を展開しています。一言で言うと言葉そのままに「何かを一緒に協力して行う」ということです。
行政とNPO法人やボランティア団体など市民活動との協働は、はじまったばかりということもあり、いくつもの問題を抱えてはいるものの、全体的な傾向としては歓迎すべき流れです。
そのような中、企業もまたCSR活動の一環として市民活動との「協働」を行 いはじめています。
これは、従来のようにNPO法人やボランティア団体にお金を出して「後はよろしく!」と任せっきりにする話ではありません。
寄付を行った企業の担当の方がおっしゃるのは、「そういう団体に寄付しても半分くらいは何に使われたのかよくわからない」というコメントです。
これは市民活動団体側にも問題があり、いただいたお金をどのように使ったかをきちんと情報公開するという認識が低いために起こります。
これは、日本の市民活動の社会的ステイタスが、欧米のそれと比べて低い理由の一つにもなっていると思われます。つまり「私はいいことをしているんだからお金を出すのは当然、寄付は善意のお金なんだから情報公開なんてする必要ないでしょ。」という態度です。
これでは、社会や企業からの継続的なサポートなど受けられるはずもなく、自ら支援者を減らしていると言っても過言ではありません。
それはそれで改善されるべき問題ですが、その一方、企業もお金を出すだけではなく、自分たちが持っているノウハウを提供し、市民活動の団体と一緒に社会的課題に取り組んでいくということが求められています。それが「協働」という言葉に集約されます。
それは結果的に自社のステイタスを上げ、同時に地域の活性化などにもつながるという「社会の良いサイクル」を作り上げるCSRの魔法の杖です。(ハリーポッター風)
■苦手なところを補完し合ってできるCSR
企業は、組織力もあり、お金を稼ぐことはプロフェッショナルですが、非営利的な活動は苦手です。
一方、市民活動団体は、社会貢献マインドは高いですし、非営利的な活動は得意ですが、組織的な動きやお金を稼ぐことは苦手です。
従来までは、これらの二者が手を組んで何かをすることは、社会的にあまり必要性を求められておらず、せいぜい資金的な支援があるだけでした。
しかし、今はその二者が手を組むことで、とても重要な社会的役割を果たすことができることがわかってきました。まさにCSRと直結することであり、企業として積極的に取り組むだけの価値のあることです。
なぜなら、CSRの効果的な広報手法として、これほどわかりやすいことはなく、企業のCSRをアピールするのにもベストだからです。
例えば、地域情報を発信しているNPO団体があります。行っていることはその町の紹介をフリーペーパーやウェブで発信するという活動です。
さらにすごいところでは、京都市にある「三条ラジオカフェ」というNPO法人は、市民が運営するラジオ局で、365日ラジオ番組を提供しています。
▽三条ラジオカフェ URL http://radiocafe.jp/
このような活動をしている団体とタイアップ(協働)し、町おこしの活動として地域活性化のための様々なプロモーションまでを一緒に行った場合、彼らは自らの活動の一つとして、このタイアップ活動をあちこちで広報してくれます。
すると、自分たちは何も広報しなくとも、第三者によって自社のCSRが広報されていくという流れが作られることになります。
そして、こちらでは、「私たちはこのような団体を応援しています。」と広報するだけで、「私たちのCSRとは○○です。」と説明するよりも具体的で街全体に対して好アピールかつわかりやすいCSRの広報になります。
これらの相互広報による効果は、自社のCSRを単純に広報していくよりもよほど効果があり、さらに地元が活性化して潤えば、自社も元気になれるというサイクルを作ることができるのです。
■ここがポイント■
1.企業と市民活動との「協働」が社会を変える
2.「協働」によるCSR活動は社会に理解されやすい!
3.相互広報の効果を侮るなかれ
■こちらもぜひご覧ください—————————————
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