※弊社代表の町井による「オルタナ総研所長コラム」
◼タイトル
なぜ米グーグルからノーベル賞受賞者が相次いでいるのか
https://www.alterna.co.jp/163156/
■記事のポイント
近年、米グーグルから「ノーベル賞」の受賞者が相次ぐ
今年はAIの研究者が物理学賞を受賞し、受賞者は2年で5人に
AIによる「研究の民主化」は、企業を社会課題解決の担い手に変えた
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近年、米グーグルから「ノーベル賞」の受賞者が相次ぐ。今年は同社でAIの研究を行う主任科学者がノーベル物理学賞を受賞し、同社が輩出した受賞者は2年で5人になった。グーグルからノーベル賞の受賞者が相次ぐことは、AIによる「研究の民主化」が、企業を社会課題解決の担い手に変えたことを表している。(オルタナ総研所長=町井則雄)
■「研究」は研究者だけのものではなくなった
いま、世の中の「研究」という領域が研究者だけのものではなくなりつつある。AIはその優れた特性によって研究領域の民主化に貢献している。
これまで主に専門家だけの領域だった研究分野が学術機関や企業だけでなく、行政、一般市民、学生など誰に対してもその門戸を開き始めた。これらの劇的で急速な変化により、社会課題の解決に向けた研究もその恩恵を受け始めている。
これまで解決が進まなかった社会課題領域におけるイノベーティブな解決方法の提示や、それらが社会実装されるまでのサイクルも短縮されていく可能性が高まっている。
そして、企業がこの動きに上手く対応することで、それらの研究がビジネスのシードとなるような経営資源としてだけでなく、社会資源へと変わるきっかけにもなりそうだ。
■グーグルは課題解決型の巨大な研究機関に
■AIによる「研究の民主化」、企業の存在感高める
■AIは課題解決への「魔法の箱」ではない
■グーグルは課題解決型の巨大な研究機関に
それを象徴するのが、グーグルという一企業の研究者が2年連続で受賞するという快挙を成し遂げた今年のノーベル賞だ。人類全体に対して、長期的に貢献し得る研究が評価されるノーベル賞にあって、「二年連続受賞」が示すのは、グーグルという企業が検索エンジンやプラットフォームを提供する企業としてだけではなく、社会的側面を持った巨大な研究機関でもあることの証左だ。
人類がSDGsという共通言語を獲得してから10年、最近では多くの企業が持続可能な未来に向けた取り組みが重要であるという認識を持つようになった。
■AIによる「研究の民主化」、企業の存在感高める
グリーンウォッシュなどがたびたびニュースになるように進化の途上ではあるものの、社会課題の解決のために自分たちのビジネスが活用できると考える企業が増え、取り組みを進めているのも事実だ。
そして、先述のAIによる研究の民主化は、それらの企業に対して、社会課題の解決の担い手としてこれまでにない存在感を発揮し得る機会を生み出してくれている。
■AIは課題解決への「魔法の箱」ではない
しかしここで大きな壁が存在する。それは、AIに対して的確な問いを立てられるかという問題だ。AIは現時点では魔法の箱ではない。
AIを社会課題の解決のための魔法の箱にするためには、どのような社会課題がどこに存在していて、それらの本質は何か、といったAIとの高度な対話が必要だ。その対話が上手くできなければ理想的な解決策にたどり着くことは難しい。
この問いを企業が独自に立てられるかという点で、これまでにも重要とされてきた産官民学による連携の役割がより重要だ。もちろんこの連携自体もAIとの掛け算によって、その形を大きく変えなければならないため、ここに多くの研究の余地はある。
しかし、AIが解決へのプロセスの改善や時間を短縮する強力なパートナーとなってくれることは間違いなく、「使わない」という選択肢はない。
この新たな座組みによって生み出される社会課題の解決の未来において、今後もノーベル賞に企業からの受賞者が多く生まれることに期待したい。