• 2006.05.24

    愛煙家パラダイス

    日本財団ビルの横には「JTビル」というビルがある

    経産省のグッドデザイン賞を受賞したことのある洗練されたデザインのノッポビル、下から見ると青空を切り取ったように見える

    このビルとその周辺には最近流行りの「禁煙」の文字は無く、逆に「スモーカーズパラダイス」なるエリアがあったりする

    そう、ここはタバコという文化 (あえてそう言おう) の総本山
    この一角は、愛煙家の、まさに天国たろうというエリアなのである

    私はタバコがキライなので分煙は大歓迎だし、お食事処は全面禁煙にすべきと思う人間だが、タバコを吸う人のあまりの疎外されっぷりにはちょっと気の毒さを感じたりもするので、こんなエリアがあっていいと思う

    駅の喫煙コーナーなど、カプセルというかケージの中の見世物のような有様で、「あの中から外を眺めたらハムスターになったような気分だろうな・・・」と思う

    この社会の流れは、言うまでもなく「社会の成熟」と「スモーカーのマナーの未発達」という両者の摩擦が原因だ

    社会とそのシステムが成熟してくると、セクハラやパワハラがそうであるように、それまで水面下で被害者だった人たちの権利というものが擁護されるようになり、その救済措置が法律などで形となって現れる

    これらの動きは歓迎すべき流れであるが、度を超えてしまう場合もある

    個人情報保護などはそのいい例で、病院で患者の名前を呼べないとか、過剰反応しがちなのは日本人のきまじめな性格の発露なのだろうか

    これらは現実に合わせて自動修正されていくと期待したいが、もう一方のマナーの未発達は惨憺たる有様である

    他の人の迷惑を顧みず所構わず紫煙を吐く、吸ったタバコは道に捨てる、手に持ったままぶらぶらと手を振りつつ歩くなどなど、スモーカーのタバコを吸うという行為に対する他人への気の遣い方は無きに等しい

    有史よりタバコの歴史のほうが古いのに、マナーというものだけはどこかに忘れられてきてしまったとしか言いようがない (煙を気にするような人口密度ではなかったという気もするが・・・)

    つまり、JTのCMにもあるとおり、「マナーが問われた」結果加速され、社会が反応したのが、現在の流れなのだろう

    「オレはそんなことはしない、マナーを守って喫煙していた」と言う愛煙家の方もたくさんおられると思う

    だが、一つのカテゴリ「愛煙家」全体で見た時、その主張は残念ながら意味をなさない、一蓮托生なのである

    そこで提案、「タバコのマナーを注意するのは愛煙家同士で!」をスローガンとして実践してはどうだろうか?

    自分の言い方が悪いのは重々承知なのだが、私の場合、タバコのマナーを注意すると一触即発状態、お互いにガルルー・・・という状態になることが多い(子どもみたいだが・・・)

    しかし、「オレも愛煙家なんだけどさー・・・」という一言で、共感ゾーンに相手を引き込むことができるので、愛煙家同士の皆さんの場合はケンカにならないはず

    このお互いの自浄努力で社会の理解を得る努力へつなげることが今、愛煙家の皆さんに求められていると思うのである

    そうすれば、今のようなハムスター待遇というか、少なくとも社会からの冷たい目を受けることは減るはず

    目くじら立てて「喫煙は云々!」と叫ぶ人の心にも許しの心が芽生えるはず

    ちなみに、新橋からJTビルまでの間、毎日歩きながら道端のタバコの吸殻を拾い集めつつ出勤する、おそらくはJTの社員と思われる方がいる

    この方の行動には敬服したいのである

    世の中の愛煙家にはこんな気持ちのすばらしい人がいる(道端にポイしてる人はハンセイしてください)
    という紹介がいたしたく・・・この方を愛煙家の鑑として、英雄列伝に加わっていただいた次第である