2006.12.30
上野の森美術館で1月4日まで開催されているダリ展を観にほてほてと朝から出かけました。
本当はずっと前に行きたかったのでしたが、とにかく、とにかく、人気があって長蛇長蛇の列の勢いに負け、美術館に足を運んでは断念を繰り返してきたのです。
しかし、いよいよ会期が無いということで、普段出勤するよりも早起きをして並ぶつもりで出かけました。
10時開館なのに、9時にはすでに列ができてしまい、9時30分に前倒しの開館、寒い中を待つ身としてはこの配慮はとてもありがたかったです。
で、以前のゴッホ展もそうでしたが、とにかく『ダリってこんなに人気があるの???』という混雑っぷりと熱心ぶり。
展覧会としては、作品数もそれなりの数で、しかも初めて見る絵が多かったので満足できました。(好きな作品が少なかったのだけは残念・・・)
シュールレアリスムや前衛アートは、例えば印象派のように純粋に美しさを鑑賞するというより、何を表現しようとしたのかを読み解くみたいな面白さがあるので、そういうアートに対してこれだけ人気が出るというのは、日本人が優れた感性と教養を持っていることの現れではないかと思うわけです。
一方で「全然わからないよー、解説して欲しいよ」という方も多いことでしょう。
そんな時、解説書なんかを紐解くけど、もっともらしく書いてあるんだけど、結局何が言いたいのかわからないという経験をしますよね(笑)
私もそんな一人なので、ぜひここは「自分が感じたことが全て!」と割り切って観ることをお勧めします。
ダリ氏がどんな人生を送って、この絵はどんな時期に描かれたのか、どんなことをその頃ダリ氏は言っていたのか、といったことを押さえたら、あとは鑑賞する自分の世界でダリ氏を感じてみましょう。
そもそも抽象的な世界を文字化して説明すること自体に無理があるはずです。
すると面白い視点が生まれます。鑑賞者の個々人の人生が、ダリ氏の絵の中のダリ氏の人生とシンクロ&フューチャーされて、その絵を感じていると言えばいいのでしょうか。。。
意味分からないこと言いはじめてますね、これも文字化するのは意味がないのか。。。
ということで、最近はいい展覧会が多いなぁ・・・とうれしい昨今です。
2006.12.22
古代エジプト文明にご興味をお持ちの方は多いので、ご存知の方も多いと思いますが、最近、この分野における発掘成果と研究はめざましいものがあります。
それらの研究成果の中で、特に面白いなぁと思うのは、ピラミッド建設に従事していた人たちの実態
自分が小学生の頃は「ピラミッドは何万人もの奴隷によって作られた」ということが当たり前の話になっていて、図鑑の挿絵には灼熱の砂漠で鞭打たれながら巨石を運ぶ奴隷の皆さんの過酷な労働環境が地獄絵図のごとく描かれていました。
しかし、実はピラミッドは公共事業として、農閑期に働く場所が無い国民を救うためにファラオ(王)が手がけた一大プロジェクトとしての性格を持ち、そこで働いていた人たちには住居や食事(お酒も!!)が与えられ、二日酔いで休んだり、親の法事でお休みしたりということも公認の労働者であった、というのです。あの挿絵とは180度違います(笑)
それは、いわゆる勤怠簿が発見され、そこに書いてあったことからわかったのですが、紀元前4000年も前にそのような労働環境がすでに確立していたということにエジプト文明のすごさを思い知らされました。
そして、そんな古代エジプト研究の成果を公開する今回の展覧会、数々の研究成果の集大成の一つとして、ミイラにCTスキャンを使って、それを3Dで映像化したものが見れるというのです。
これは行かなければと、国立科学博物館で開催されている特別展「大英博物館 ミイラと古代エジプト展」を観に行きました。
従来、ミイラは棺から取り出し、体を覆う布を取り去ることでしか調査できず、その際にミイラを傷めてしまっていました。さらに時代を遡れば、ヨーロッパではミイラから布を取り去って、極端な場合、解体することを見世物として興行していたそうです。
それが、今はミイラに全く触れず、CTスキャンをかけるだけで、その人物の死因までを特定できるほどの精度で調査ができる時代になり、ミイラは人類共通の大切な遺産として扱われるようになっているのです。
時代も変われば変わるものです。
で、展覧会の話に戻りますと、ネスペルエンネブーというファラオのミイラの3D映像は見ごたえがありました。ぜひご覧になることをお勧めします。
その他の展示品は、あの映像が見れたからいいか。。。という感じで、「あまりこれは!」、というのはありませんでしたが、それはまあ贅沢かなと、思いましたです。
【上写真は公式HPからお借りしました】
2006.11.20
この写真をぱっと見て「お!」と思った方がいたら、きっと私と間違いなく音楽の趣味が合う人でしょう、ぜひお友だちに・・・
そうです、このギターは日本のハードロック界を代表する天才ギタリスト山本恭司さんのモデル、これまた日本が誇るメーカーYAMAHAの「HR-Custom」というギターです
物持ちがいいというか、道具を愛する私は20年も前に買ったCHARVEL(シャーベル)社という今は無きこれまたニッチなギター(聖飢魔Ⅱのルークさんモデルだったかな。。。)をずっと愛用してきたのでしたが、あるきっかけで、昨年、このHR-Customをお財布的には相当無理して買いました。
理由は。。。生産終了、だからです。
受注生産のギターということで、生産終了前にオーダーしないと買えないということで、購入の運びとなりました。
なぜ生産終了か。。。それはこのギターの特徴として、音響特性の異なる材を六層(カーリーメイプル+スプルース+メイプル+マホガニー+カリン+マホガニー)重ねて重厚な音を作り上げているのですが、その製作に必要な優良な材の入手が困難になってしまったからという理由でした。
ストラディバリが織り成す世界一の音の秘密は、そのボディに塗られた企業秘密であったニスにあるというのは有名な話ですが、今回の話はそんな製造工程以前の話、良い音を出せる優れた木材が地球上から消えはじめているということ。
エジプト文明を支えたレバノン杉に見るように、その材が珍重された結果、ある種の木が地球上から姿を消すということは昔からあったことです。
しかし、今の地球上で起こっている種の絶滅は、もっと大規模な、レバノン杉がマグロの一本釣りのような漁法で絶滅したとするなら、投網でザックリ系の絶滅。絶滅のスピードも量も種類も段違いです。
音楽メーカーのみなさん、自社の生産品のために、これからも良い木材を使い続けられるよう、ぜひCSRの一環で持続可能な森林の育成を手がけてみてはくれないでしょうか?
2006.10.19
最後は渡良瀬遊水地を散策です。
夕暮れに染まる遊水地はかの有名な足尾銅山鉱毒事件の傷跡をそれとなく残しつつも、今は昔、家族連れやカップルの憩いの場所になっておりました。
写真は、カエルの視点から見た遊水地・・・なのに人間の視点とほとんど変わらないことを発見、なんとなく水の偉大さを感じて今回の実りあるツアーを終えました。
皆さん、本当にお疲れ様でした。ツアーを通じてご縁を紡いだ皆さま、これからもよろしくお願いいたします。
2006.10.18
いよいよ、エコツアーも終盤、メインの「しあわせのコットンボール摘み」に出かけました。
個人的には、綿の木も、ましてコットンボールなるものも見たことはありませんでした。
ですので、すべてが新鮮、コットンボールにも色々と種類があって色が違うとか、本も
いいけど、経験ほど人生を実り多くしてくれるものはないとつくづく思いました。
で、写真はたまたま出会ったヘビ(たぶんヤマカガシ)の視線から見た畑の図。
虫とかカエルとかヘビとか・・・彼らから見ると世の中はこんな感じです。
人から見るとこんな感じ。
同じ風景も見る視点、撮影する角度やタイミングで全く変わるということで。
■閑話休題■
積んだコットンは種とコットンとに分別しなければなりません。
それをするのがこの機械、シンプルな構造に先人の知恵が詰まっています。
機械を作る木の材料もちゃんと考えられていて、ナラはいいけど、スギは×、みたいな。
木材とコットンとの相性っていうのがあるわけです。
そういえば仏像の一木彫(いちぼくちょう)や寄木造(よせぎづくり)ってあるけど、あれも木の選択が最も重要だったりするわけで。
そして特に写真のこのパーツ、コットン繊維の巻き込み防止のためについているんですけど、
こういう小技がニクイですね。
「道具大好き」人間の自分には、この機械、ホントいい感じでした。
2006.12.30
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